KOSS公開イベント「クィア・アートをさがして──研究と制作の現場から」(企画、品田玲花さん、張洋宇さん)に近藤銀河さんと共に参加させていただきました。
KOSS公開イベント「クィア・アートをさがして──研究と制作の現場から」
■ 概要
自らのセクシュアリティについて考える人にとって、クィアな芸術作品との出会いは、時に喜びに満ちた、時に戸惑いや気まずさを呼び起こされる、重要な経験となりえます。そうした経験はまた、批評、研究や新たな作品制作を通じて他者と共有され、既存のジェンダー、セクシュアリティの規範を一層揺るがせる可能性を秘めてもいます。しばしば主流の言説の場においては、鑑賞や評価の枠組みからこぼれ落ちてしまったり、そのクィアネスが隠蔽されてしまったりしてきたクィア・アートですが、他方では実際、それらの価値をすくいあげるような取り組みもまた重ねられてきました。
本イベントでは、とりわけ女性間の親密な関係を描く試みに焦点を当て、それぞれ美術史研究とアニメーション研究に携わりつつ、自身でも制作を行い、のみならず作品を取り巻く性差別的、異性愛主義的な鑑賞や評価の枠組みを問い直してきたゲストの近藤銀河さんと矢野ほなみさんをお招きします。過去と現在、研究と創作、個人的な感情や経験と公的な場での作品の発表や鑑賞・評価、複数の場を往還しながら切り拓かれる、クィア・アートが可能になる地点についてディスカッションします。
■登壇
近藤銀河、矢野ほなみ、品田玲花、張洋宇
■企画運営
品田玲花(東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程、KOSS院生マネージャー)
張洋宇(東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程、KOSS院生マネージャー)
井芹真紀子(教養教育高度化機構D&I部門 特任助教)
■ 主催
東京大学駒場キャンパスSaferSpace(KOSS)
(webサイトより引用)
併催イベントとして、「クィア・アニメーション上映会」も開催いただき、キュレーションさせていただきました。
クィア・アニメーション上映内容

この度のキュレーションでは、発題に合わせ、時間と抵抗、個人的であることをテーマにしました。
今回の上映にあたり、上映させていただきました3名の作家の皆様ありがとうございました。
27
監督:Flóra anna buda (2023年、フランス)
Between Us Two
監督:Tan Wei Keong(2017年、シンガポール)
字幕協力:ひろしまアニメーションシーズン
Récit De Soi
監督:Géraldine Charpentier(2018年、ベルギー)
字幕協力:
翻訳:福田さん(東京大学教養学部)

▲「女性同性愛の西洋美術研究と実践―あるいは攻撃的な読解について―」お話しされる今度銀河さん

▲「間(あいだ)/Intervalに潜む」について発題
自身の今回の発表では、私はアニメーションそのものがクィアなメディウムである可能性について挑戦的に検討をしました。それはアニメーションは、そもそも隙間に本質があること、蘇生的生が宿ること、何度も身体の描き直すこと、あるいは時間の操作を行うこと、正しい形状や形を留めないことを歓迎することなどを挙げて発題したものでした。それに対して、近藤銀河さんの「攻撃的な誤読」についてのお話しを考えると、リーディング/「誤読」とぶつかってしまうと感じ、品田さん、洋宇さん、Q&A、イベント終了後の交流会の時間を通して、私が表象を抜きにした本質的にクィアなメディウムかであるというふうに言ってしまうのは、決定的に欠けているものがあると感じました。アニメーションの中にある身体性やそれらが生まれる過程を見ていくことで、クィアな知覚が開かれていくという感覚を覚え、皆様との会話のなかで、明るい「失敗」をさせていただいた経験になりました。メディウム論になっていく時、コマ撮りから語ることになるので、では映画そのものが…となっていく全体性を避けられず、であるから、接続していくためのきっかけを探して行かなければならないと感じました。
クロストーク

本当に楽しい時間でした。ありがとうございました!

イベント企画に際し、企画のお二人とともに、上映イベント運営に多大なるご尽力くださった井芹真紀子さん、英語字幕をしてくださった福田さんに感謝申し上げます。
