初めての国際審査員のためオタワ国際アニメーション映画祭にきました。
オタワ国際アニメーション映画祭では過去に受賞した作家を次の審査員として招いてくださるようです。
世界中の力作を前に、さて次のあなたは?と問われているような心持ちでした。
カナダへ出発のギリギリまで制作しておりましたレジデンスの成果作品の発表が9月26日にEUパビリオンで行われます。
初めての参加だったアニメーションレジデンスですが(このレジデンス自体が万博のイベントの一環でした)、本当に素晴らしいメンバーと共に、企画開発をそれぞれがし、一緒に滞在しながら、各作品に意見を出し合うような刺激的な時間でした。
9月26日@大阪万博
EUパビリオン午後3時(日本時間)から
EU-JAPANアニメーションレジデンシー成果発表
一般公開/ライブストリーミングリンク(←更新しました!)
イベント案内ページ
https://eu-at-world-expos.europa.eu/events/eu-japan-animation-workshop-2025-09-24_en?prefLang=ja
私は、日本人として上方文化に触れ、それをアニメーションで表現するとき、浪曲に心惹かれました。
真山隼人師匠と沢村さくらさんの公演を聴き、その後レクチャーをいただくなかで、浪曲は「なみの曲」と書くと真山さんが言われました。
波としてのアニメーション、あるいは視覚化、それと同時に、浪曲は本来、原初より女性に開かれてきた芸能であることを聞き、視覚化されてこなかった/されない存在を甦らせたいと思うようになりました。
そこととから、万博によってレジデンスの運びとなった今回のレジデンシーですが、むしろ万博に参加できない、万博という国際イベントが想定していない人を描きたいと考えました。
浪曲師の春野ココさんに浪曲、曲師に藤初雪さん、そして浪曲台本として西村卓也さんと4名で作品を制作しました。
その過程で、春野恵子師匠に大変お世話になりました。
春野ココさんとの出会いは、太宰治「かちかち山」を大西信行先生の脚本でラジオでおとぎ浪曲を聞いたとき、一体わたしは今何を耳にしているのかという驚きを受けました。
ココさんの声は、押し寄せる波のように世界の物語を声と音で展開し、その無形の声の先に無限に広がるイメージを感じました。
今回はティザー制作として、実験をメインの目的として、色鉛筆の光の透過、紙の裏側を透かすことで不可視の存在を浮かび上がらせる技法のテストを行いました。結果としてはまずまず。と言いたいところですが、大胆な改良とアイデアの余地を感じています。
短編アニメーションの形態でも良いですが、声という無形のものに世界を感じる浪曲を考えると、アニメーションのイメージが、浪曲世界を展開する補助的な映像として立ち上げるだけでなく、あるいは、アニメーション世界を描くための音として浪曲を使うのではなく、確かに溶け合う必要を感じました。
このティザー制作をきっかけにして、実際に浪曲師さんの声や身体と融合させるようなパフォーマンスとしても展開できないかと思案しています。
浪曲は曲師さんの身体から出る声の空間への響きが美しいです。そして情景も心情も効果音も三味線で表現する幅の広さ。
台本においても、西村さんから日本語の美しさとリズムについて勉強させていただきました。
台本の音は全て七五調で展開されます。
アニメーションと浪曲の融合を考えるとき、この歩調が、浪曲としてのアニメーションに真に生きる場面ではないかと、ティザー実験を終えて思いました。
まずは今回は、全体の構成から一部抜粋して、浪曲アニメーションとしての発表となりましたので、全体像を膨らませつつ、継続して考えていきたいと思います。


ティザー映像の英語字幕は江口麻子さん、撮影補助に友谷晶子さん。
皆様に心よりお礼申し上げます。
謝辞
メンターのMichelle and Uri Kranotさん、キュレーターの山下宏洋さん、Clemence Bragardさん、Rie Alkemadeさん、Dima Al Youzbakiさんをはじめ、イメフォの門脇健路さん、北山ノエルさん、レジデンスの前にインタビューさせていただきました武市篤子さん、河内音頭でアニメーションのコラボレーションさせていただきました橋本麦さんはじめ
レジデンス参加作家の皆様
Laura Gonçalves (Portugal)
橋本麦 / Baku Hashimoto (Japan)
Edmunds Jansons (Latvia)
Sander Joon (Estonia)
工藤雅 / Masa Kudo (Japan)
Noémie Marsily (Belgium)
Lucija Mrzljak (Croatia)
榊原澄人 / Sumito Sakakibara (Japan)
副島しのぶShinobu Soejima (Japan)








