Bialysrocks MV『はだかのゆめ』を制作させていただきました。
映画『はだかのゆめ』は絶賛公開中です。(以下公式より引用)
息子を思う母、母を思う息子、そして祖父―― お互いの距離を測り直していく、親子3代の物語。
『はだかのゆめ』の舞台は四国山脈に囲まれた高知県。四万十川のほとりに暮らす一家、息子のノロ、母、祖父の親子3代にわたる時間と、その時間の境界線を飛び越えた触れ合いの、そしてそれでも触れることのできない残酷な距離の物語を描く。 5年ほど前より自身のルーツのある高知県に移住した甫木元空監督。そこで祖父と、闘病中の母とともに暮らすなかで、何気ない二人の言葉を書き留めたものを恩師である青山真治監督に送るという作業を繰り返していた。当初は小説としてまとめていたその文章から、自分の中で残ったものを再抽出して、シナリオ化したものが『はだかのゆめ』の始まりだった。
監督・脚本編集:甫木元空
出演:青木柚 唯野未歩子 前野健太 甫木元尊英
プロデューサー:仙頭武則 飯塚香織
撮影:米倉伸 照明:平谷里紗 現場録音:川上拓也 音響:菊池信之 助監督:滝野弘仁
音楽:Bialystocks
製作:ポニーキャニオン 配給:boid/VOICE OF GHOST 2022年/日本/カラー/DCP/アメリカンビスタ/5.1ch/59分
all images ©PONY CANYON
楽曲としての「はだかのゆめ」を聞くとき、死と生とが静かに同居し滲む映画に対して、より生ける者の心の奥にあるものが浮遊するようで、切なさに胸が染みました。甫木元監督から拙作『骨嚙み』を見ていただいたことがきっかけでお話をいただいたMVには、四国・高知の自然を手触りのある描写で、そして詩の対訳ではない映像を作りたいと考えました。 「はだかのゆめ」とは何だろう、自分が〈はだか〉であることさえ気がつかないでいられた、無垢でふわふわした安心の感覚は、まさに取り残された者が愛する人を想い心温められるその気持ちに似ています。
監督が映画に込める思い、そして虚像と実像の間に結ばれる光の優しさを、MVとして自分なりに、身近な生と死、花や季節に込めたいと思いました。失われた命は戻らず、生者は想い続けるしかありません。映画「はだかのゆめ」の母と、ゆめを思いながら制作しました。
映画と楽曲が素晴らしい分、今の自分には確信を持って制作するというよりも、手探りに試行錯誤することが必要でした。これでよかったのかと怯えるような思いもありますが、私自身にとっても映画『はだかのゆめ』、Bialystocksの楽曲がとても大切な存在になりました。ありがとうございました。
散った花をスカートにして踊る母