Annecy 6

最終日。

この日は朝から公開インタビューだった。6時に起き、川沿いの道を1時間かけて遠回りして会場へ行った。川上から寝ている白鳥が静かに流れてきた。ガラスのような水面に、白鳥の周りから輪が生まれ続けていた。白鳥は眠ったままゆっくりと流れ去って行った。どこまで流れていくのだろう。

アヌシーは湖も綺麗だし、お城もあるし、古い街並みや芝や公園も綺麗だけれど、この道に一番愛着が湧いている。

公開インテビューでは、同じコンペの作家さんたちと順番にインタビューを受けた。

Of Wood /Owen Klatte さんのインタビュー

『骨嚙み』のターンでは江口 麻子さんに通訳いただいた。多くの質問をいただけて感謝。
江口さんはありがたくも骨嚙みの翻訳でもご尽力いただいた方で何年もお世話になっています。

Photo by Li-Chin

その後は湯浅政明監督の『犬王』を観た。早朝から当日入場のための長蛇の列。本作と湯浅監督へのフランスでの期待値がとても高いことを実感。

お昼は山村監督とアヌシー1美味しいお店へ再訪。たまたま通りかかったひらのさんも同席し、音楽、能と映画に関する話が面白かった。

夜は授賞式。受賞する人は事前に映画祭から連絡がありスピーチの準備等する模様。山村監督の『幾多の北』連絡あり。コントルシャン部門トップであることを願うばかり。

一旦ホテルに帰っていたけれど、また1時間かけて森の道を歩き会場へ。日が暮れる前の時間の色も大変綺麗。アヌシー新参の遠いホテルだったけれど、それがまたよかった。わんちゃんが泳ぎながら水を飲んでいた。

さて、授賞式。大好きな作品『Maman, il a quoi le chien ?』(”Mom, What’s up with the dog?)/ Lola Lefevreが学生部門審査員賞を受賞。こちらは主人公の女の子が「クィア」なるものに触れ、犬と親和性を持つ形で性を発見していくが、ピリリとしたラストがなんとも示唆的。ローラさんおめでとう!!!!!

学生部門グランプリは『ペルソナ』。こちらはカンヌ短編でもノミネートされていた。その辺りの快挙をInidie Anifestのユジンさんに聞きたかったのだけれど、ユジンさんも実はよく知らないの、というほどの大きな快挙だった。おめでとうございます。長編にも続き、韓国作品はアヌシーで2作品受賞。実写映画のみならず韓国のアニメーション・シーンも韓国は勢いがある。

長編審査員賞はPierre FOLDES監督の『めくらやなぎと眠る女』。おめでとうございます。日本でも配給され、さまざまな議論が沸き起こることを楽しみに感じるし、議論が起こってほしい。最後にねじまき鳥の笠原メイ的な人物が出てきて主人公が思い馳せるシーンで監督父へのオマージュのシーンがあった。




同じく審査員賞は、Signe BAUMANE監督の『My Love Affair with Marriage』。

本作はチケットの予約はできていたが、上映開始時刻に遅れてしまったため、入場が許されなかった。途中退出はOKだけれど、途中での入場は不可のよう。受賞のコメントで監督がクィア、ノンバイナリー、全ての<女性>に捧げると言っていた。

大賞は『Little Nicholas』。スチル画像からなんとなくみていなかった作品だった。

そして。コントルシャン部門山村浩二監督『幾多の北』。
来る!と思っていても感動して、嬉しさが極まった。アヌシーでの受賞は難しく、頭山以来20年ぶりだとのこと。
込み上げる思いがあった。本当に良かった。先生!やった!やった!!

作画を手伝ったこともあり、先生が撮影時の壇上に呼んでくださった。ハンカチが手放せなかった。

水尻さんの『不安な身体』も受賞! 土居さんのスピーチが会場を沸かせていた。

Spela Cadezさんの”Steakhouse”も審査員賞を受賞!スペラさんおめでとうございます!

パーティー会場ではおじさんたちのロックが聞こえていた。
外で寝転がったら青い空に北斗七星がとても鮮明に見えた。誰かと話しているときに視界の外で流れ星が落ちた。アヌシーの星空を初めてみた最終日だった。

翌日の出発の朝。6/19-20
振り返るとあっという間のアヌシーだった。毎日11キロ歩いていた。アヌシーではたくさんワンちゃんを見た。猫は一匹も見なかった。猫を探しています、の張り紙があった。みんなおうちのなかなのかな。

映画祭はノミネートしただけで嬉しいけど、受賞しなければ「負けた」というような感じがある。でも先生がタイトルを獲ってくれた。『骨嚙み』はこれまでに色々賞をいただいたけど、アヌシーでは負けた。

壇上に登り続けることだ。

コロナ禍の出入国面の備忘。
ジュネーブからフランス経由で帰国。ジュネーブ地点で72時間前に行ったPCR検査陰性証明書〈紙〉と、厚生省のアプリ『my sos』の提示が必要。陰性証明は、かかった医療機関からメールでフランスのフォーマットでも届くが、2022/6/20の段階では、事前に印刷していった日本政府のフォーマットに、現地でサインが入ったものが求められた。

『my sos』の提示に関しては、事前登録によってアプリ起動画面がイエローかグリーンになっている必要があるが、通過ゲートではグリーンになってからきてくださいと言われ一度追い返される。
しかしイエローであっても、紙の陰性証明書があれば通過できると厚生省のページに書いてあったので、それを伝えて通してもらった。

(事前登録でイエローで確定している場合、再登録しない限りグリーンにはならないので、一度アプリを再インストールして再登録を試みたが、アプリ上で審査確認後にグリーンになるため6時間くらいの時間の余裕が必要な模様。)

他国の航空会社の方は、日本のフォーマット全てを把握しているわけではなさそうなので、焦らず事前準備と、PRC陰性であれば無事帰国できそうだ。早くおうちの犬猫に会いたい。
アプリの更新や国からの更新情報入手等においても、安定したネット環境確保にはsimカードを別途購入することがコスト・パーフォーマンス共に良かった。
20日夜帰国。

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